名張毒ぶどう酒事件 最高裁が差戻し決定

 

 

4月5日付けで最高裁判所第三小法廷、堀籠幸男裁判長は、名張毒ぶどう酒事件の第7次再審請求特別抗告審で、再審開始を取り消した名古屋高裁刑事第2部の決定を破棄し、名古屋高裁に差し戻す決定を行いました。

 最高裁決定は、第7次再審請求で提出された新証拠1から5のうち、その四つを証拠から排除しましたが、毒物に関する新証拠については、名古屋高裁決定が「科学的知見に基づく検討をしたとはいえず、推論過程に誤りがある疑いがある」と指摘し、審理をやり直すよう命じました。

 

奥西勝さんが84歳の高齢であり、第1審が無罪、第7次再審請求審で一度は再審開始を命じたことを前提に考えれば、最高裁特別抗告審で、弁護側は既に新証拠を出しており、検察側は2年6ヶ月の間何もせず、説得力ある反論をしていないのであり、「再審開始のためには確定判決における事実認定につき合理的な疑いを生ぜしめれば足りる」という1975年の白鳥決定の見地からすれば、差戻しによってさらに審理を継続させることなく、自判して、再審開始決定を確定させるべきであったと思います。

 しかし、最高裁が審理を名古屋高裁に差し戻したことは、再審開始への大きな第1歩であることは間違いありません。

 名古屋高裁での2度目の再審開始に向けて、改めて奮闘する決意ですので、引き続き皆さんのご支援をお願い致します。

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