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薬害肝炎訴訟

2005/10/14 弁護士 中西一裕
 
 

くりかえされる薬害の根絶を求めて-薬害肝炎訴訟

 2002年10月以降、東京、大阪、福岡、名古屋、仙台の5地裁で、非加熱血液製剤によりC型肝炎に罹患した患者らが国と製薬会社(旧ミドリ十字=現三菱ウェルファーマと日本製薬)を相手に損害賠償請求訴訟を提訴しました。原告は5地裁で合計74名(2004年末時点)になりますが、潜在的な被害者はまだ多数いると思われます。

 

 

 

 C型肝炎はC型肝炎ウイルスによる肝炎であり、輸血などで血液を介して感染します。日本のC型肝炎感染者の数は200万人以上とも推測されていますが、自覚症状に乏しいため、感染したことに気付かない場合も珍しくありません。治療を受けずに放置していると、その多くは10年から30年後には肝硬変に進行し、肝癌を発症するに至ります。わが国では、年間約3万人が肝癌で死亡していますが、そのほとんどはC型肝炎によるものといわれています。

 原告は、こうしたC型肝炎感染者のうち、早くからその感染の危険性が指摘され有用性に疑問が提示されていたフィブリノーゲン製剤及び第9因子製剤の非加熱濃縮血液製剤による感染者であり、その多くは出産時の出血の際に無断で製剤を使用されて感染した女性たちです。被害者たちの多くは、出産後、肝炎による発熱や倦怠感等の症状に苦しめられ、その治療のために入通院を繰り返して、仕事はもちろん子育てや家事も思うようにできない状態になっており、家族の負担も極めて大きなものとなっています。感染症に対する社会的偏見・差別のため、仕事が続けられなくなったり、離婚に至るケースもあります。病気そのものの苦しみに加え、こうした複合的・社会的問題が肝炎感染の被害をより深刻なものとしているのです。

 

責任立証を終え、原告尋問で被害実態を明らかに

 薬害肝炎訴訟はこうした被害者の救済を第1の目的としています。
 この間の訴訟経過で、非加熱血液製剤の肝炎感染の危険性とその早い時期からの予見可能性、製剤には有効性が認められないことを原告側は立証し、今後の訴訟では、各原告の肝炎感染被害の実態を原告本人尋問で明らかにしていく被害立証の段階に入っています。薬害訴訟のハイライトと言っていい重要な段階です。
 訴訟は毎回東京地方裁判所の大法廷で行われており、学生の支援の会などフレッシュな力が運動を支えています。是非、大勢の皆さんが裁判傍聴に来られ、訴訟にご支援をお願いします。

弁護士活動コラム   2005年10月14日   admin